今も変わらぬ本屋
今回紹介したいのはこちらの本屋。私の幼少期からあるこちらは味のある店主とその知識豊富な店員さんにあり、今も変わらず数多くの書籍を扱っているお店だ。お店の立地もよくとても入りやすいのも特徴で、つい寄ってしまうのはきっと私だけではないだろうと思う。
今の店構えは実は変化してきていて、今の様にコンビニやカラオケなどの複合施設では無かった。立地柄か学生も多く、立ち寄りやすいのもあって当時は地自転車の駐輪台数がとても多かったのだ。そこで話ができる場所、歌える場所もあるとの事でお店の半分をカラオケに変えた。両極性を持つ組み合わせとして当時は驚かされたのを覚えている。本を選んでいると、隣のカラオケで熱唱している声が聞こえてきたり、大騒ぎしている情景が分かるほどに声が聞こえてきて、流行りの曲は歌い手が変わって何度も聴ける程だ。
いつしか本屋のBGMのようになっていた。その頃からは専門誌や小説が減ったのと同時に、文房具が新設されていて更にお店に行くのが楽しくなったのを覚えている。
そこから私も社会人になり、電車や車といった行動手段に幅が出てきてより多くのお店を利用したり縁遠くなっているのを感じた時、流行ったのが電子書籍だ。定額で何処でも見ることが出来る手軽さと持ち運びを必要としない内容にとても便利さを感じ、多用する様になったことで余計に活字を読むことが減った。そして数年が経ってたまたま近くを通ると懐かしさから立ち寄って見ると店主は変わっておらず、探している本を聞くと直ぐに見つけて案内してくれる。このフットワークの軽さと年季を感じざるを得ない本の知識には驚かされたのと同時に懐かしさを感じた。
帰りに張り紙がされていて、更に規模縮小するという。思わず何かされるのかを聞くとコンビニを作るのだとか。いよいよ文庫も数が少なくなっているのだと分かった。こういった時代背景に合わせた変化がありながら今の複合施設となったが、変わらずそこにある本屋には変わらぬ店主と本達が今も出迎えてくれる貴重なばしだと私は思う。