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経済の動きと本の関係



バブル崩壊ののち、日本の経済は不況へと陥り、なかなか抜け出せていません。もちろん出版業界も例外ではなく、活字離れや電子書籍の登場なども相まって、書籍の売り上げは落ち込んでいます。では、本の価格や売れ方に、日本経済はどう影響しているのでしょうか。ここでは「本」そのものに注目しつつ、「経済の動きと本の関係」について説明します。

日本経済が打撃を受けると本が出なくなる?!

日本経済が打撃を受けると本が出なくなる?!

本の原材料はほぼ「紙とインク」ですが、それらの製造には石油が欠かせません。1970年代に「オイルショック」が起きたときには、原油の価格高騰と供給削減により、日本は深刻な石油不足となりました。当然、紙やインクも不足することとなり、本や雑誌のページ数は大幅に減らされて紙質も悪くなり、価格も上がりました。

また、2011年の東日本大震災では大手の製紙工場やインクの原料生産工場が被災し、紙とインクの入手が難しくなりました。このとき、一時的に発売が延期もしくは中止となった雑誌は250誌にものぼり、ガソリン不足や交通状況の悪化による本の遅配も目立ったようです。

このように、世界情勢の変動や大災害によって日本経済が痛手を受ければ、本の製作や販売にも響くことが多いのです。もちろん、これは将来的にも起こり得ることです。例えば2013年4月には、原油の価格が上がっていること、紙の輸入が増えて国内需要が減ったことなどから、日本製紙や三菱製紙をはじめとする大手メーカーが一斉に値上げを開始しました。今後の本の価格や品質への影響が懸念されています。

本の価格の決め方

本の価格の決め方

では、本の価格はどうやって決めているのでしょうか。

本の価格の内訳は、一般的には次のようになります。

  • 出版社 70%(紙、印刷、製本、編集、原稿料などが約30%、広告営業代、倉庫代、運送費などが20~30%、利益が10~20%)
  • 取次会社のマージン 8~10%
  • 書店のマージン 20~22%

このうち、紙や印刷、製本、編集、原稿料などを「直接生産費」といいます。本の価格は、この直接生産費の約3~4倍とされています。つまり、直接生産費が300円であれば、本の価格は1,000円前後になるわけです。

さらに、本の価格には「発行部数」や、書店からの「返本率」も大きく関わってきます。例えば、製版代は何部刷っても同じ料金ですし、製本や印刷は部数が多い方が1冊あたりのコストが安くなります。たくさん刷れば刷るほど、価格は安くできるのです。

しかし、発行した本すべてが売れるわけではありません。書店から返本されれば、その分だけ出版社の利益は減ります。「どのくらい返本されるのか」「返本されても赤字にならない価格はいくらか」なども考えなければいけないのです。

「売れる!」とわかっている本であれば部数を増やし、価格も安くできますが、なかなかそううまくはいかないもの。しかし、日本の経済状況や社会情勢から、「売れそうな本」をある程度は予測できるかもしれません。

景気の変動に合わせて、2000年以降に売れ出した本

景気の変動に合わせて、2000年以降に売れ出した本

「日本著者販促センター」に出ている「年度別ベストセラー」の1980年代後半から2012年までを見ると、面白いことがわかります。90年代までは、上位20位内の半分以上を小説やゲームガイドブックなどのエンターテイメント本が占めていたのに、2000年以降は半分以下に減るのです。

逆に一気に増えたのが、健康や生活、性格改善などの自己啓発もの、○○術や○○の方法などのハウツー本です。2000年といえば、企業倒産の負債額が過去最悪を記録し、ITバブルが崩壊した頃。先行き不安な時代を見越して、何かしら自分の利益になりそうなものを読んで少しでも現状を良くしたい、という人々の意識の表れといえそうです。

(参考資料/「日本雑誌協会」「日本著者販促センター)