施設検索/ホームメイト・リサーチ

ご希望の書店情報を無料で検索できます。

ホームメイト書店リサーチ

書店情報

付加価値のついた本の登場



「雑誌不況」「出版不況」が叫ばれる中で、大ヒットを生み出しているのが付録付きムック本です。付録付きムック本の登場から現在までを探っていきます。

起死回生のブームとなった付録付きムック

起死回生のブームとなった付録付きムック

全体的に陰りつつある出版業界ですが、ファッションブランドの付録付きムック本は、そんな流れをものともせずに空前のヒットを生み出しています。そもそもムックとは、雑誌のような編集スタイルを取り入れた単行本のことで、簡単にいえば雑誌風の単行本です。

月刊や週刊などの定期的に発行される雑誌は、売れ行きの良し悪しに関わらず、ある一定の期間が過ぎてしまうと出版社に返品される、というシステムになっています。しかし、雑誌風の単行本であるムックならば、ある一定の期間を過ぎても、そのまま書店の棚に並べておくことができます。そこで、雑誌の売れ行き低迷を打破する、起死回生の戦略として登場したのが、付録付きムック本です。

雑誌のように写真やイラストが多く載っていて手軽に読めることや、人気のファッションブランドのアイテムが低価格で手に入ることから、活字離れが進んでいるといわれている若者に火が点き一大ブームとなりました。不況の波にのまれつつあった出版業界において、雑誌と単行本の中間的な存在だったムックが大きなビジネスチャンスとなったわけです

原点は、女性ファッション誌『Sweet』

原点は、女性ファッション誌『Sweet』

付録付きムックのはしりとなったのが、宝島社の女性向けファッション雑誌『Sweet』です。老舗ファッション雑誌がしのぎを削る中で、後発だった『Sweet』の戦略は、"一番誌戦略"というものでした。徹底的なマーケティングを行ない、読者に読まれる人気ページの制作などを追求しました。

そして、一番誌戦略のひとつの施策として登場したのが、ファッションブランドとのコラボレーションによる本物志向の付録です。ブランドへのオファーからアイテムの企画、製品化まで、雑誌の制作と同じように編集部が関わることで完成度の高いアイテムを生み出すことに成功しました。そして、これが発売されると同時に読者の人気に火がつき、100万部を超えるヒットとなりました。

可能性を広げる付録付きムック

可能性を広げる付録付きムック

この本物志向の付録付き雑誌のスタイルをムック本へと展開したのが、『ブランドムック®』です。お手ごろな価格で入手できるムックに、ブランドオリジナルの限定アイテムが付録として付いていることから、若い女性を中心に大人気となりました。

2005年ごろに登場したブランドムック®は、初版だけでミリオンセラーを超える大ヒット作品も出ているほどのブームとなっています。付録の種類も、定番のバッグのほか、化粧ポーチや傘など、多彩なアイテムに広がっています。また、男性向けとして登場した、スマートフォンカバーや時計などのアイテムが付録についたブランドムック®も話題となりました。

さらに、シリコンスチーム鍋や美顔ローラーなどは、付録付きムックのヒットが一般市場にも広がり、キッチングッズや美容グッズの市場にも相乗効果を生み出しています。

直営店でも絶対に手に入らないオリジナルの限定品を付録にしたことが人気に火をつけ、そのブームが他業界にも影響を与えているブランドムック®。いまや単行本という概念を打ち破り、付加価値を持った新たな市場を生み出しています。